はじめに:仕事も、家族も、自分も大切にしたいのに…
朝は子どもを起こして、朝ごはんを準備し、急かして身支度。
仕事から帰れば、保育園・学童のお迎え、夕飯の支度、宿題チェック、寝かしつけ…。
夜にはクタクタになりながら、「今日も子どもに笑顔で接する余裕がなかったな」と自己嫌悪。
30代・40代の共働き世帯が直面するこの「時間のなさ」と「余裕のなさ」は、もはや社会問題と言ってもいいかもしれません。
でも、すべてを完璧にこなそうとするのではなく、「仕組み」や「考え方」を変えるだけで、少しずつ心が軽くなることもあります。
今回は、共働き育児を少しでもラクに回すための考え方と工夫をご紹介します。
なぜ“両立”がこんなに苦しいのか?
両立がしんどい理由は、大きく3つあります。
1. 時間が物理的に足りない
仕事は8〜9時間、通勤に往復1時間、睡眠や食事を除けば、自由時間は数時間あるかないか。
その中で家事・育児・子どもとの時間を取るのは至難の業。
2. どちらも「手を抜けない」と思い込んでしまう
「仕事で評価を下げたくない」
「子どもにはちゃんと向き合いたい」
→ その結果、自分に過剰な負荷がかかる。
3. 頼ることへの罪悪感
夫(妻)や祖父母、外注に頼ることに「申し訳ない」という気持ちがブレーキに。
「完璧にやろう」としない仕組みづくりを
✅ まずは“やらないこと”を決める
「毎日ご飯は手作りであるべき」
「洗濯物は畳んでしまわないと」
…その“べき”は、本当に必要?
・平日は冷凍おかずでOK
・洗濯物は畳まず、カゴ分けで済ませる
・朝の準備は「全部前夜に」しておく
小さな“やめる”が、驚くほど負担を軽くします。
✅ タスクは「見える化」して分担を
家事・育児の分担を“なんとなく”でやっていると、「私ばっかり!」という不満が爆発します。
- ホワイトボードやアプリでタスクを見える化
- 分担は「得意な方・早くできる方」に割り振る
- “できなかったとき”のリカバリを決めておく
→ 夫婦は“チーム”という意識で、柔軟に連携しましょう。
✅ 外注・便利サービスを使う勇気を持つ
- 食材宅配サービス(週1回時短セットでOK)
- お掃除ロボット・乾燥機・食洗機などの家電
- 家事代行(月1でもリセット効果◎)
「楽をする=手抜き」ではありません。
**家族が笑顔で過ごすための“仕組み化”**と考えましょう。
子どもにも「自分でできる仕組み」を
親が全部やってしまうと、いつまで経ってもラクになりません。
子どもにも“自分でできる習慣”を少しずつ育てましょう。
- 洋服は曜日ごとにセットしておく
- 習い事バッグは自分で準備
- 宿題のチェックリスト化
最初は時間がかかっても、半年後には確実に効果を感じます。
親の“余白時間”が家庭を明るくする
つい、「自分のことは後回しに…」となりがちですが、
親が疲れ切っていると、家庭に余裕がなくなります。
- 週に1回、夜1時間だけでも好きなことをする
- 通勤時間は“ひとり時間”と割り切って音楽や読書
- 土曜の朝はコーヒーとぼーっとする時間だけ確保
「元気な親がいる=安心して子どもが育つ環境」でもあります。
よくある“両立ストレス”への向き合い方
❓ 「他の家庭はもっとちゃんとしてるのに…」
→ 比べる対象を“理想像”ではなく、“我が家の今”に置き換える。
❓ 「仕事で失敗したらどうしよう…」
→ 子どもが風邪をひくのも、保育園から呼び出されるのも、**“働く親あるある”**です。
→ 上司や同僚に「お願いできる関係性」を日頃から作っておきましょう。
❓ 「もう何もしたくない…」
→ その気持ちは“危険信号”です。
→ 思い切って「今日は手を抜こう」の日を作りましょう。
まとめ:うまく回すより、心地よく回す
仕事も、育児も、家事も、全部ちゃんとやろうとするのは無理な話です。
それでも毎日まわしているあなたは、もう十分頑張っている。
“ちゃんとやる”よりも、“心地よく回る仕組み”を少しずつ作っていきましょう。
家族みんなが「無理なく続けられる日常」を目指すことが、いちばんの幸せにつながります。