家族旅行は、単なるレジャーではなく、子どもたちの好奇心を育み、学びを深める絶好の機会です。宮城県には、自然や歴史、産業など、さまざまな教育的要素を含んだスポットが豊富にあります。今回は、宮城県を訪れる際に、親が意識したい「旅育(たびいく)」のポイントをご紹介します。


1-1. 松島:世界三大絶景のひとつを体感

松島は、日本三景のひとつとして有名です。大小260もの島々が点在する風景は圧巻。遊覧船に乗れば、波の侵食によって形作られた奇岩や鳥たちの生態を間近で観察できます。ここでは、

  • 地形の成り立ち(地質学的な視点)
  • 海の生態系(ウミネコの餌やり体験など) を子どもと一緒に学ぶことができます。

1-2. 蔵王のお釜:火山の神秘に触れる

蔵王連峰にある「お釜」は、火山活動によってできた美しいエメラルドグリーンの湖。天候によって湖の色が変わるため、「なぜ色が変わるの?」と子どもと一緒に考えるきっかけになります。


2-1. 仙台城跡:伊達政宗公の知恵と戦略

仙台城跡(青葉城跡)は、戦国武将・伊達政宗が築いた城。城そのものは現存していませんが、

  • なぜこの場所に城を建てたのか?(地形的優位性)
  • 伊達政宗の戦略や文化的影響 など、子どもと一緒に考えながら歩くことで、歴史がより身近に感じられるでしょう。

2-2. 瑞鳳殿:豪華絢爛な廟建築を学ぶ

伊達政宗の霊廟である瑞鳳殿は、極彩色の装飾が特徴的です。ここでは、

  • 江戸時代の建築技術
  • 日本の伝統美術の特徴 などを学ぶことができます。

3-1. 笹かまぼこ作り体験(阿部蒲鉾店など)

宮城県は笹かまぼこの名産地。仙台市内には、笹かまぼこ作りを体験できる施設があります。

  • 魚のすり身を加工する工程
  • なぜ笹の葉の形なのか?(歴史的背景)

食べ物の成り立ちを知ることで、食育にもつながります。

3-2. 仙台箪笥の工房見学

仙台箪笥(たんす)は、江戸時代から続く伝統工芸品。

  • 木工技術の精巧さ
  • 漆塗りの工程 を間近で見ることができ、職人の技術の素晴らしさを実感できます。

4-1. 仙台市震災遺構 仙台市立荒浜小学校

東日本大震災で被災した学校が、そのまま震災遺構として保存されています。

  • 津波の脅威を学ぶ
  • 避難の重要性を考える

実際に震災の爪痕を目の当たりにすることで、子どもたちの防災意識を高めることができます。


5-1. 仙台うみの杜水族館

ここでは、

  • 東北の海の生態系
  • イルカ・アシカショーで動物の知能について学ぶ

という体験ができます。

5-2. ふれあい牧場(蔵王ハートランド)

牛や羊と触れ合い、

  • 乳搾り体験
  • チーズやバター作り を通して、食べ物の背景を学ぶことができます。

宮城県は、自然、歴史、産業、防災、動物との触れ合いなど、多岐にわたる学びの機会がある場所です。家族旅行を単なる観光で終わらせるのではなく、「どうしてこうなっているの?」と子どもの興味を引き出しながら、一緒に考える時間を持つことで、旅がより充実した学びの場になります。

親子で楽しみながら学ぶ「旅育」を、ぜひ宮城県で実践してみてください!