はじめに:がんばっているのに、成果が見えない?
「もう半年通っているけど、何か身についているのかな?」
「周りの子は発表会で立派に弾けてるのに、うちの子はまだ…」
「習い事、意味あるのかな…?」
子どもが習い事を続けている中で、親がこうした疑問や不安を感じるのは、とても自然なことです。
特に小学生の間は、学びが“じわじわ”進んでいく時期。短期間ではなかなか目に見える成果が出にくいこともあり、「このまま続けていいのかな」と迷いが生じがちです。
でも、ちょっと視点を変えてみると、見えてくる“成長のサイン”がたくさんあるんです。今回は、そんな見えにくいけれど確かにある成長に気づくためのヒントをお届けします。
「成果」とは、何を指している?
私たちが「成果」と聞いて思い浮かべるのは、こんなイメージではないでしょうか?
- 英検に合格した
- 試合で勝った
- 発表会でミスなく演奏できた
確かに、これらは分かりやすく、達成感のある成果です。でも、こうした「目に見える成果」だけに注目してしまうと、成長の途中を見落としてしまうことがあります。
大切なのは、“成果=結果”だけではないという考え方を持つこと。
習い事で育つ“非認知能力”に注目しよう
近年、教育の現場でも注目されているのが、**「非認知能力(ひにんちのうりょく)」**という考え方です。
これは、テストの点数や偏差値といった数値では測れない、内面的な力のことを指します。
たとえば…
- 集中力:時間を忘れて取り組む力
- 粘り強さ:失敗しても諦めない姿勢
- 協調性:集団の中でルールを守る力
- 自己肯定感:自分には価値があると感じる心
- 自己調整力:今の自分を客観的に見て行動できる力
習い事の多くは、こうした非認知能力を自然と育ててくれる場でもあります。
すぐには見えないけれど、確実に積み重なっていく力です。
成長を感じる3つの視点
視点①:「できるようになったこと」に注目
「前は泣いてたのに、今は自分で準備して出かけるようになった」
「苦手だった跳び箱、あと少しで跳べそう!」
上達とは、テストの点や合格の有無だけではありません。
ちょっとした変化や**“できること”の増加**も、大きな成長の証です。
記録ノートや写真を使って、“ビフォー・アフター”を見える化するのもおすすめです。
視点②:プロセスに目を向ける
「結果」よりも「過程」を見てあげましょう。
- 練習に取り組む姿勢
- ミスしても諦めずにやり直す様子
- 緊張しながらも本番に立った勇気
これらはすべて、成長のプロセスの中にある大切な一歩です。
親が「頑張ってたね」「最後までやりきったね」と声をかけることで、子どもは自分の努力を肯定的に捉えるようになります。
視点③:周りと比べず、「昨日の子ども」と比べる
つい気になってしまうのが「他の子はもっとできてるのに…」という比較。
でも、大切なのは**「昨日のわが子」との比較**です。
- 昨日はできなかったことが、今日はできた
- 1週間前よりも少し集中していた
- 今回は自分から「もう1回やってみる」と言った
この小さな変化に気づいてあげることが、子どものやる気の“栄養”になります。
成長を感じにくくなったときのチェックリスト
「なんだか最近伸びていない気がする…」と思ったときは、以下のポイントを確認してみてください。
✅ 習い事に行く前後の様子はどうか(嫌がってない?)
✅ 続けたいと言っているか(親の意向だけになっていない?)
✅ 少しずつでも“できた”が増えているか
✅ 本人の中で目標や楽しみがあるか
すべてにYESがつかなくても大丈夫。
どこかに変化や前進があれば、それは立派な成長です。
習い事を通じて身につける「生きる力」
習い事が子どもに与える影響は、単なる技能の習得だけではありません。
- 目標に向かって努力する姿勢
- 自分を信じてチャレンジする気持ち
- 継続する力、やり抜く力
これらは、**将来どんな道を選んでも必要となる“生きる力”**になります。
そしてこの力こそ、習い事の本当の価値なのではないでしょうか。
まとめ:「成果」は外ではなく、子どもの中にある
子どもの成長は、時にとても静かで見えにくいものです。
でも、親がその変化に気づいてあげることで、子どもは自信を深め、次のステップへと進んでいく力を得ることができます。
「できた!」
「やってみよう!」
「また頑張ろう!」
そんな子どものつぶやきを、どうか見逃さないであげてください。
あなたのまなざしが、何よりの“応援”になるはずです。