子どもがどのような高校や大学に進むかは、将来の選択肢に大きな影響を与えます。漠然と「いい学校に行ってほしい」と思うだけでは、何をすべきかわかりません。しかし、具体的な目標を持つことで、やるべきこととやらなくてもよいことが明確になります。

親として、子どもをどのレベルの高校や大学に進ませたいのかを明確にすることは、教育方針を決めるうえで非常に重要です。ただし、むやみに詰め込むのではなく、子ども自身の考えや興味を尊重しながら、将来の選択肢を広げるサポートをしていくことが大切です。

児童発達心理学の観点からも、目標設定が子どもの成長に大きく関わることが分かっています。目標があると、学習に対するモチベーションが向上し、自発的に努力するようになります。また、目標を達成する経験は自己肯定感を高め、さらなる挑戦への意欲を引き出します。

一方で、目標を持たずに勉強を続けると、目的が不明確なためにモチベーションを維持することが難しくなります。「なぜ勉強しなければならないのか」と疑問を抱いたままでは、学習の意義を見出せず、最終的に勉強が苦痛になってしまうこともあります。

1. 子どもと将来について話し合う

まず、子どもとじっくり話し合い、どのような道を選びたいのかを考えさせることが大切です。「何になりたい?」「どんなことをしてみたい?」といった質問を通じて、興味のある分野や夢を引き出しましょう。急にそんな話をしても…という場合には、移動中やお風呂の中など何気ない時に「どんなことに興味があるのか」を聞いてみるのもヒントになりますね。

2. 現実的な選択肢を提示する

子どもの夢や興味をもとに、現実的な選択肢を示します。「この職業に就くためには、どんな勉強が必要なのか」「どの高校や大学に進学するのがベストか」といった具体的な情報を提供し、目標に向かって努力できるようにサポートします。

3. 短期・中期・長期の目標を設定する

目標は大きなものだけでなく、短期・中期のものも設定することが重要です。例えば、「今月は計算問題を毎日10問解く」「1年後には英検5級に合格する」といった具体的な目標を作ることで、ステップアップしながら達成感を得られます。

4. 目標に向けた学習計画を立てる

目標が決まったら、それを達成するための計画を立てましょう。ただし、無理のない範囲で行うことが大切です。学習の負担が大きすぎると、途中で挫折する可能性があります。適度な休息やご褒美を取り入れながら、継続しやすい環境を作りましょう。

「目標を決めずに進学してしまい、学力が足りずに希望する道を断念する」という悲しい未来を避けるためには、早い段階で目標を設定し、計画的に学習を進めることが必要です。

しかし、目標が子どもにとってプレッシャーになりすぎてしまっては逆効果です。大切なのは、子ども自身が「この目標に向かって頑張りたい」と思えるように導くことです。そのためには、親が一方的に決めるのではなく、子どもの意見を尊重しながら、一緒に考える姿勢が重要です。

目標を持つことで、学習の方向性が明確になり、モチベーションを維持しながら取り組むことができます。子どもが自分の夢や希望を実現するために、親としてできることは、適切な目標を設定し、それに向かって努力できる環境を整えることです。

子どもとじっくり話し合い、将来の選択肢を一緒に考えながら、目標を設定することで、「やるべきこと」と「やらなくてもよいこと」が明確になります。そうすることで、無理なく、そして後悔のない未来を築くことができるでしょう。