1. はじめに
「読解力はすべての学力の基礎」と言われます。特に近年、文章を正しく理解する力の低下が指摘されており、「子どもが本を読まない」「文章問題を苦手とする」などの悩みを持つ親御さんも多いのではないでしょうか?
実は、読解力を育てるためには幼児期からの習慣が大きく影響します。読解力の土台をしっかり築くことで、小学校以降の学習もスムーズに進みます。
本記事では、読解力を高めるための具体的な方法や家庭でできる習慣を紹介します。
2. 読解力とは?
そもそも「読解力」とは何でしょうか?単に「本を読むのが速い」ことではありません。
読解力とは、
- 文章を正しく読み取る力
- 筆者の意図や行間を理解する力
- 読んだ内容を自分の言葉で説明できる力
のことを指します。
この力が育っていないと、
- 説明文の内容を誤解してしまう
- 物語を読んでも登場人物の気持ちが分からない
- 問題文の意図がつかめず、テストで点数を落とす
といったことが起こります。では、どうすれば幼児期から自然に読解力を伸ばせるのでしょうか?
3. 幼児期からできる読解力を育てる習慣
① 読み聞かせの習慣をつける
「本を読む子」は「読んでもらった子」から育ちます。
読み聞かせは、言葉のリズムや表現力を養うだけでなく、親子のコミュニケーションにもなります。研究によると、毎日15分の読み聞かせを続けるだけで語彙力が飛躍的に伸びることが分かっています。
ポイントは、
- 抑揚をつけて読む(感情を込めて読むと、子どもは話に引き込まれます)
- 子どもが好きな本を選ぶ(興味を持てる内容だと集中しやすい)
- 質問を交えながら読む(「次はどうなると思う?」など)
「ただ読む」のではなく、「会話しながら読む」ことが大切です。
② 絵本の内容を話し合う
「読んだら終わり」ではなく、読後に感想を話す時間を持ちましょう。
例えば、
- 「このお話でいちばん好きなところはどこ?」
- 「○○ちゃんだったら、どうする?」
- 「この登場人物はどんな気持ちだったと思う?」
と質問して、子どもに考えさせることで、深い理解につながります。
③ 語彙を増やす遊びをする
読解力を支えるのは「語彙力」です。
幼児期には、言葉遊びを取り入れると自然に語彙が増えます。
- しりとり
- なぞなぞ
- 絵を見せて「これは何?」と問いかける
このような遊びを通じて、新しい言葉に触れる機会を増やしましょう。
④ 生活の中で「考える力」を鍛える
普段の生活の中にも読解力を伸ばすヒントがあります。
- お買い物時に「この中で一番安いのはどれ?」と聞く
- 料理をするときにレシピを一緒に読む
- お出かけ先の案内板を読ませる
「考えながら読む」経験を積むことで、読解力が向上します。
4. 小学生以降におすすめの読解力向上習慣
① 音読を続ける
小学校に入ると、自分で本を読む機会が増えますが、音読の習慣を続けることが大切です。
音読のメリットは、
- 語彙力が増える
- 文の構造が自然に身につく
- 文章を正確に読む力がつく
という点です。低学年のうちは親も一緒に聞いてあげると良いでしょう。
② 新聞や図鑑なども取り入れる
物語だけでなく、
- 子ども向け新聞
- 図鑑
- 説明文のある本(科学絵本など)
を読むことで、情報を正しく読み取る力が育ちます。
③ 読書記録をつける
「読んだ本のタイトル」「好きだったところ」「新しく覚えた言葉」などをメモすることで、記憶の定着につながります。
5. 読書好きな子にするための環境づくり
読解力を育てるには、「本が身近にある環境」が重要です。
- リビングに本を置く(子どもが手に取りやすい場所に)
- 親も読書する姿を見せる(親の真似をしたがる時期を活かす)
- 図書館や書店に定期的に行く(本を選ぶ楽しさを知る)
「本を読むこと=楽しい」と思える経験を増やしましょう。
6. まとめ
読解力を伸ばすには、幼児期からの積み重ねが大切です。
✅ 読み聞かせを習慣化する ✅ 本の内容を話し合う ✅ 語彙を増やす遊びを取り入れる ✅ 生活の中で「考える力」を鍛える ✅ 音読や読書記録を続ける ✅ 家庭に本がある環境を作る
これらの習慣を取り入れることで、自然と読解力が育ち、本好きな子どもに成長します。
「読書の楽しさ」を親子で共有しながら、一緒に成長していきましょう!