はじめに:将来のことを考えると、お金の不安が尽きない

子どもが小学生に上がったあたりから、ふと頭をよぎるのが「お金」のこと。

  • 「中学受験も考えてるけど、塾代どうしよう」
  • 「そろそろ住宅ローンを考えたいけど、今買って大丈夫?」
  • 「老後の資金も貯めなきゃいけないって言うけど、そんな余裕ある?」

教育費・住まい・老後――いずれも人生において避けて通れない大きな支出です。
そして30代・40代の子育て世帯は、それが同時進行で押し寄せる“トリプル負担期”

今回は、「全部どうしたらいいの…?」と悩む親御さんに向けて、
これからの家計管理のヒントと、無理なくできるマネープランの考え方をお届けします。


そもそも教育費っていくらかかるの?

まずは気になる「教育費」の現実を見てみましょう(文部科学省データより)。

【幼稚園〜高校までの学校教育費(年間平均)】

  • 公立:およそ550万円
  • 私立:およそ1,800万円以上

【大学費用】

  • 国公立:約500〜600万円
  • 私立文系:約700万円
  • 私立理系:約1,000万円以上

つまり、1人あたり1,000万円〜2,000万円超の教育費がかかる計算になります。

さらに、これには塾代や習い事など「学校外活動費」は含まれていません。


教育費を「何となく」貯めるのは危険

教育費の悩みで多いのが…

  • どれくらい貯めておけばいいか分からない
  • 進学してから慌てて教育ローンを組んだ
  • 学資保険だけでは全然足りなかった

という“見通し不足”による不安や失敗。

大切なのは、「必要な時期に、必要な金額を用意できる状態」にしておくことです。


教育費・住宅ローン・老後資金、どう優先順位をつける?

この三大支出は、どれも大切です。
でも、それぞれに「対策にかける“時間軸”」が違うことを知っておくと、優先順位がつけやすくなります。

① 教育費 → 近い将来、かつ確実に必要

最優先で計画を立てるべき

② 住宅ローン → 長期に渡って支払う固定支出

月々無理のない返済額が大前提

③ 老後資金 → 最も遠い未来の支出

時間を味方につけてコツコツ準備するのがカギ

このように、「教育費を最優先」としながら、
住宅や老後は“負担を軽くする工夫”を重ねていくのが現実的です。


じゃあ実際どう貯める?家計の中でやるべきこと

✅ 教育費は「貯蓄+運用」の組み合わせで

  • 学資保険:安全だが利回りは低め
  • つみたてNISA:15年以上運用できるなら効果的
  • 定期預金:使う時期が決まっている分には安心

▶子どもが中学生になるまでに300万円、大学進学までに500万円〜を目標にすると現実的です。


✅ 住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「返せる金額」で

  • 「返済比率=年収の25%以下」に抑える
  • 固定金利か変動金利か、将来設計で選ぶ
  • ボーナス払いは“おまけ”と考えて組まない

▶生活を圧迫しないことが何より大切です。


✅ 老後資金は「つみたて投資」が強い味方

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • つみたてNISA(少額からの長期投資)

▶年に1〜2%でも増やしながら20年貯めれば、大きな差になります。


家計を整える「見える化」のすすめ

どんな収入帯でも、まずやるべきは家計の見える化

ステップ1:毎月の固定費を把握する

家賃・通信費・保険・教育費など

ステップ2:変動費の目安を出す

食費・日用品・レジャーなど

ステップ3:貯蓄に“先取り”でまわす

余ったら貯める…ではなく、
「毎月〇万円は貯蓄へ回す」と最初に決めることで、家計が安定します。


相談できる人がいる安心

お金の話は、なかなか友人同士でも話しにくいもの。
でも、プロの手を借りると驚くほどスッキリすることもあります。

  • FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談
  • 地域のライフプラン相談窓口
  • オンライン家計診断サービス

▶客観的な視点が入ることで、「なんとなく不安」が「具体的な対策」に変わります。


まとめ:将来の安心は“今”の積み重ねでつくる

子育て世代の家計は、「目の前の出費」と「未来への不安」との狭間に立たされがちです。

でも、「今できること」を一つずつ積み重ねていけば、
数年後には**“貯まる仕組み”が自然と回る家計**になっていきます。

  • 教育費は早めに見通しを持って貯める
  • 住宅は無理のない計画で
  • 老後は長期でコツコツ備える

こうした考え方をもとに、自分たち家族に合ったお金のかけ方・貯め方を一緒に見つけていきましょう。