はじめに:突然の「やめたい」に戸惑う親たち
「急に『行きたくない』と言い出した…」
「最初は楽しそうだったのに、最近はだるそうにしている」
「せっかくお金もかけて始めたのに…」
子どもが習い事について「やめたい」と口にしたとき、多くの親は不安や戸惑いを感じます。
無理に続けさせるべき? それとも潔く辞めさせるべき?
この“やめたい問題”は、実は多くの家庭がぶつかる壁です。
この記事では、子どものモチベーションが下がる理由と、親としてできる対応の工夫について考えていきます。
「やめたい」は本心?それとも一時的な感情?
まず大切なのは、子どもの「やめたい」という言葉の背景を見極めることです。
すべてが「本当にやめたい」と思っての発言とは限りません。
よくある理由としては…
- 練習が難しくなってきた(壁にぶつかった)
- 友達とうまくいかない
- 他にやりたいことができた
- 疲れている・忙しすぎる
- 飽きてしまった
子どもはまだ自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多く、「やめたい」の一言にいろんな感情が詰まっていることがあります。
親ができる3つのステップ
では、どうやって子どもの本音を探り、対応していけばよいのでしょうか?
おすすめのステップは以下の3つです。
① まずは「共感」から入る
「何言ってるの、せっかく始めたのに!」と否定する前に、まずは気持ちを受け止めることが大切です。
「そっか。なんか最近行くのつらいんだね」
「何かあったのかな?話してくれると嬉しいな」
親が味方であると分かると、子どもも安心して本音を話せるようになります。
② 原因を一緒に探る
子どもとゆっくり話す時間を取り、「どうしてそう思ったのか」「いつ頃からそう思っていたのか」など、丁寧に聞いてみましょう。
- 難しくて分からない→一緒に練習するサポートをする
- 友達関係で悩んでいる→先生に相談する
- 飽きてきた→新しい目標を立ててみる
原因によっては、続けられる工夫が見つかることもあります。
③ 一時的な“休み”も選択肢に入れる
「辞める」か「続ける」かの二択ではなく、**“一度休んでみる”**という中間の選択も有効です。
少し離れてみることで気持ちが落ち着き、「またやりたい」と思える場合もありますし、「やっぱり別のことに挑戦したい」と気持ちが整理できることも。
一時休会や回数変更が可能な教室もあるので、柔軟に対応してみましょう。
辞めさせるべきタイミングとは?
どうしても続けるのが難しい場合、「辞める」決断をするのは決して悪いことではありません。
以下のような状況なら、思い切ってやめることも前向きな選択です。
- 毎回泣いたり体調を崩したりしている
- 習い事のせいで家庭がギスギスしている
- 子どもが明確に他のことに興味を持っている
- 学校生活にまで支障が出ている
辞めた後に、子どもが元気を取り戻したり、新しいことに意欲的になったりするケースも多くあります。
無理に続けさせることの“副作用”
「一度始めたんだから最後までやりなさい」
「途中で投げ出すなんて根性がない」
こうした言葉は、一見“教育的”に思えるかもしれません。
でも、無理に続けさせられた経験は、自己肯定感や意欲に影響を与えることもあるのです。
「頑張ったけど、やめることを認めてもらえた」
という経験は、自己決定の力や、気持ちの切り替え方を学ぶチャンスにもなります。
やめた後に大切にしたいこと
習い事をやめた後、大事なのは「次にどうつなげるか」です。
- 「よく頑張ったね」としっかり認めてあげる
- 「何が好きだった?どこが大変だった?」と一緒に振り返る
- 「またやってみたくなったら教えてね」と気持ちに余裕を持たせる
これらを通して、子ども自身が「やめること=悪いことではない」と納得できれば、次の挑戦にも前向きになれます。
まとめ:習い事の「やめたい」は成長のチャンス
子どもが習い事を「やめたい」と言い出したとき、親としては複雑な気持ちになります。
けれど、その言葉の裏にある小さなSOSや成長のきざしに気づいてあげることこそ、私たち親の役目かもしれません。
続けることも、やめることも、どちらも子どもにとっては大切な経験。
焦らず、比べず、寄り添いながら、親子で一緒に進んでいきましょう。