こんにちは。今日は「ハイパー修正効果」というちょっと耳慣れないけれど、子どもの学習にとても効果的な記憶法についてご紹介します。
私の小学二年生の息子は、学校も勉強も大好きなタイプ。ですが、そんな彼でも「間違えるのは恥ずかしい」と感じて、間違いを避けたがる時期がありました。
でも、最近取り入れ始めたある学習法で、「間違えてもいいんだ!」「むしろ間違えることで覚えられるんだ!」という意識が芽生えてきたのです。その鍵となったのが、「ハイパー修正効果」です。
「ハイパー修正効果」って何?
ハイパー修正効果(Hypercorrection Effect)とは、心理学の研究で明らかにされた現象で、自分の間違いに気づき、それを正しい情報で修正したとき、記憶に強く定着するというものです。
特に「自信満々で間違えたとき」に、その修正はより強い記憶になるといわれています。
例えば、
「アメリカの首都はニューヨークだよね」と思い込んでいた子どもに「いいえ、正しくはワシントンD.C.だよ」と教えると、次からその子はワシントンD.C.をしっかり覚えるようになる。
というような感じです。
一度自分の中で「これは正しい」と思ったことが間違っていたと知ると、脳は「これは重要な情報だ!」と判断し、強く記憶するのです。
なぜ「間違える」ことが大切なの?
子どもにとって「間違えること」は、ときに大きなストレスになります。特に「優等生タイプ」の子ほど、自分の間違いに敏感です。
でも、児童発達心理学の観点から見ると、間違いを経験することで「認知のゆらぎ」が生まれ、そこから学習が深まると考えられています。
「できない → 理解する → できるようになる」というプロセスそのものが、子どもの自己効力感(自分にはできるという感覚)を育てるのです。
我が家での実践例
我が家では、息子が漢字や英単語の練習をしているとき、あえて「うろ覚え」でもいいからまず答えを書かせるようにしています。
例えば、
私「『待つ』ってどう書く?」 息子「えーっと、『侍』だったっけ?」 私「おしい!ぎょうにんべんの『待つ』って書くよ」
このように、正解を先に教えるのではなく、まず子どもに考えさせ、間違えたらその場で修正することを心がけています。
すると、不思議なことに、同じ問題を次に出したときの正解率がとても高いんです。
ハイパー修正効果を活かす3つの学習法
1. クイズ形式で学習する
まずは「クイズ形式」で知識を引き出すことがおすすめです。
ノートに書かせるのもよいですが、口頭でのやりとりも◎。特に親子のコミュニケーションを深めながらできるので、楽しく続けやすい方法です。
2. 「自信度」を尋ねてみる
答えたあとに「今の答え、自信あった?」と聞くことで、本人の認識と実際の正誤のギャップを意識できます。これにより、ハイパー修正効果がより働きやすくなります。
3. 間違えた後の「説明」を促す
「なんでそう思ったの?」と理由を聞くことで、記憶の整理が進みます。正しい知識と誤った知識の違いを認識することで、長期記憶につながるのです。
間違いを楽しめる学びへ
私自身も、小さい頃は「間違える=悪いこと」と思い込んでいたタイプでした。でも、今は「間違えるからこそ、深く学べる」と子どもたちに伝えています。
幼稚園の娘にも、最近「まちがえちゃった〜」と笑いながら言う場面が増えました。これはとてもいい傾向だと思っています。
まとめ
「ハイパー修正効果」は、間違えることに対するネガティブな感情をポジティブな学習体験に変えてくれる力があります。
子どもが「間違えてもいいんだ」と思える環境を作ってあげることで、自分から学ぼうとする意欲が自然と高まります。
家庭学習や日常の会話の中に、ぜひこの効果を取り入れてみてくださいね。