「勉強しなさい!」と何度も言っているのに、子どもがなかなか机に向かわない……そんな経験はありませんか?

実は、「勉強しなさい」という言葉は、子どものやる気を削ぐ可能性があります。心理学では、人は「やらされている」と感じると、主体的な行動を取りづらくなることが分かっています。では、どのような声かけをすれば、子どものやる気を引き出せるのでしょうか?

今回は、児童発達心理学の視点から、子どもが勉強に前向きになる親の声かけを5つご紹介します。


子どもは、自分で決めることで主体性を持ちやすくなります。「今すぐ勉強しなさい!」ではなく、「どの教科からやろうか?」「宿題とドリル、どっちを先にする?」と選択肢を与えることで、自ら行動を起こすきっかけを作れます。

心理学の「自己決定理論」によると、人は自分で選んだことには責任を感じやすく、モチベーションが高まりやすいとされています。無理強いせず、子ども自身が決定できる環境を整えてあげましょう。


「一緒にやる」という姿勢を見せると、子どもは安心感を得て勉強に取り組みやすくなります。

例えば、「お母さんも隣で読書するね」「お父さんも仕事の資料を作るから、一緒に頑張ろう」と伝えることで、子どもは「一人で頑張らなくてもいいんだ」と感じ、やる気が生まれます。

特に低学年の子どもは、親の存在が大きな支えになります。一緒に学ぶ時間を大切にしましょう。


勉強に対する好奇心を刺激することで、子どもは自発的に学びやすくなります。

「この算数の問題、ゲームみたいで楽しそう!」「この漢字、面白い形をしてるね」とポジティブな視点を伝えることで、子どもは「やってみようかな」と思いやすくなります。

心理学では、「内発的動機づけ」が学習の継続に重要だとされています。つまり、楽しいと感じることが学びの原動力になるのです。


結果だけでなく、過程を認めることが大切です。「100点取れたね」よりも、「コツコツ頑張ったから、ここまでできたね!」と声をかけることで、努力することの大切さを学べます。

心理学の「成長マインドセット理論」によると、「努力すれば成長できる」と信じることで、子どもは難しいことにも挑戦しやすくなるといいます。

勉強が苦手な子にも「昨日より速く計算できたね」「間違いが減ったね」と、少しの進歩を見つけて褒めてあげましょう。


「宿題が終わったら、おやつを食べよう!」「このページが終わったら、一緒に公園に行こう!」と、楽しい予定を作ると、子どもはモチベーションを保ちやすくなります。

これは心理学の「プレマックの原理」に基づいた方法です。子どもが楽しみにしていることを勉強の後に設定することで、勉強へのハードルが下がり、スムーズに取り組めるようになります。

ただし、大きなご褒美を用意しすぎると、外発的動機づけ(ご褒美目当ての勉強)になってしまうため、小さな楽しみを用意する程度にしましょう。


「勉強しなさい」と言わずに、子どものやる気を引き出すには、以下の5つの声かけが効果的です。

  1. 「どこからやる?」と選択肢を与える(自己決定を促す)
  2. 「お母さん(お父さん)も一緒にやるね」(安心感を与える)
  3. 「この問題、面白そうだね!」(興味を引き出す)
  4. 「できたね!頑張ったね!」(努力を認める)
  5. 「終わったら○○しよう!」(楽しみを作る)

子どものやる気を引き出すには、勉強を「やらされるもの」ではなく、「自分からやりたいもの」に変えていくことが大切です。ぜひ、日々の声かけに取り入れてみてください!